子どもの主体性を大事にした保育を目指して!【フィンランドの保育に憧れて】
私はとある園で 5年間、
保育士/幼稚園教諭として働いてきました。
そこでの仕事は、山あり谷あり、
落ち込むことや悩むこともたーくさんあったのですが、
それ以上に、子どもたちとともに笑って泣いて喧嘩して、
とっても充実した日々を過ごすことができました。
数えきれない楽しいエピソード、私を強くしてくれた先生・保護者さん、そして子どもたちとの出会いがあるので、
また書いていきたいと思っています。
そして今年の3月、その仕事を辞め、
これからフィンランドへ行きます。
(私がフィンランドに興味をもつきっかけの1つとなった本)
なぜ、フィンランド?
と思われるかもしれません。
実は北欧は、世界的に見て優秀な福祉大国・保育先進国。
私はその保育内容を知ったときからずっと、
いつか自分の目で見て、感じてみたい!
と強く思っていました。
私が北欧の保育で何より良いなと思うことは、
子どもたちの自主性を大事にしているところです。
"自主性"というのは、
子どもたち自身が「やってみたい」と思うこと。
私も日本で保育者をする中で、このことを一番に考えて保育してきたつもりです。
例えば、絵本を読みます。
ある絵本が人気になります。
何度も読んでとせがんだり、自分で読む子どもが出てきます。(小学校でいう国語のような活動)
絵本のイメージを絵に書いてみたり、絵本に出てくるお家を作ってみよう、と製作し始めたりします。(図工のような活動)
製作をする中で、イメージが合わずに友だちとぶつかり、思いを伝えようとしたり相手の話を聞こうとしたり、仲介に入る子どもが出てきたりします。(道徳や人間関係)
「椅子が2つと机が1ついるよ」、「4人入ったらいっぱいだね」など、数を数えたり、必要な数を考えたりします。(算数)
…どうでしょう?
1つの あそびの中に、たくさんの育つ力が見えます。
こんな風に、保育というのは、小学校の科目が全部入った総合教科のようなものです。
”あそびは学び„と良く言われますが、
子どもたちはあそびながら、本当にたくさんのことを学んでいます。
ただもちろん、子どもたちは遊ぶ中で、「今は算数の勉強になることをしているんだな~」なんて考えてはいないので、
そこで子どもたちの遊ぶ姿から、どんな力が育ち、またどんな遊びの力がこれから必要になってくるか?
見とり、サポートしていくのが保育者の仕事です。
じゃあ「見とり」をするだけで、子どもが遊んでいるときには何もせずに放っておくの?
…なんて、そんなわけはありません。
子どもたちが「やりたい!」と思ったときに取り組めるように、環境を整えたり、
時に一緒に考えたりする(決して答えを教えることや、保育者が思う答えに誘導するのではない)ことが
保育者の大事な仕事です。
もし保育も授業のように、「今日は図工で○○を作るから、△△が□個必要」
とわかっていれば、準備するもの、数を決めるという部分では簡単です。
(もちろん先生方は授業の構成や準備物の工夫に時間をかけておられることと思います。)
しかし総合教科の中では、「何を」「いくつ」用意するかは保育者次第、保育者の模範解答があるわけではありません。
子どもたちの姿を見とり、今興味があることは何かに気づく。
↓
その中でさらに子どもたちに育ってほしい力を見定める。
↓
子どもたちに育ってほしい力が伸びるように、
どんな教材を用意し、どんなあそびを展開していくか計画を立て準備する。
↓
計画通りに進めるのでなく、子どもたちの声や姿を見とり、保育の立て直しや修正をしていく・・・
↓
(繰り返し)
こんな風に、保育には終わり(答え)がありません。保育者の子どもの姿の見とりと熱量次第で、色々な保育を展開していくことができます。
(ここで子どもの姿の見とり・保育者の願いと本当に子どもたちがやりたい!と思うことがマッチングすると、とっても嬉しくて楽しくてやりがいを感じます!)
保育者のねがいや用意するものによって
子どもの姿は変わるだろうし、
例えばわざと扱いにくい素材や
そのときに適していないものを用意すること、
あるいは敢えて用意しないことも
子どもの「自分で考え・工夫し・やってみる」
力につながります。
保育者が"こたえ"(物事の結果)を教えるのではなくて、
何度も失敗したって間違ったっていいから、
子どもが「自分で考え、工夫し、やってみる」ことで、色んな発見や学びを経験し、その子ども自身の成長につながります。
子どもたちがそんなふうに
自分から、自発的に遊び込めるように
保育者は、同僚の保育者と相談を密にとり、
子どもを見たら目を増やしながら、
保育環境の準備やこどもへの関わり方について
考えてきました。
日本の保育者は、このような
子ども主体の保育・環境づくりに
一生懸命取り組んでいます。
しかし…
日本にはまだ
「一斉保育/教育」を大事にする考え方がたくさんあると思います。小学校に上がると
「みんなと一緒に集団行動ができないから」
「座って45分話が聞けないから」
「空気が読めないから」
"気になる子ども"
"丁寧な言葉がけや関わりが必要な子ども"
あるいは "仲間はずれ"…
なんてレッテルが貼られることがないでしょうか・・・。
あそび=学び
を大切にしてきた保育にとって
小学校にあがってすぐに全てのやり方が変わることは
私にはとっても違和感を感じるのです。
今の教育制度がダメだと言いたいのではなくて、
保育者/教育者側のやり方を少し変えれば
力を発揮できる子どもがいるんじゃないか、
みんながみんな同じやり方で学ばなくても
選択肢があっても良いんじゃないか、
と考えています。
そこで私はフィンランドに行って、
・北欧の"自主性を大事にした保育"を学びたい
・保育→教育のスムーズな連携について知りたい
と思います。
今のところ、学んでからどうしたいのか
まだわからないのですが、
とにかく保育・福祉先進国の保育をこの目で見て、感じたい!!!という気持ちが強くなり、フィンランド行きを決めました。
もし保育に興味を持つかたと交流できたら嬉しいです。
読んでくれてありがとうございました。
-勿忘草(ワスレナグサ)
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